推しが推せなくなる日
こんにちは、225です。
突然ですが、一昨日私の大好きなスウェーデンのバンド、H.e.a.tからボーカルのエリクが脱退することが発表されました。非常にショックです。今のH.e.a.tファンはみんな同じ気持ちでしょう。ですが、すでに後任も決まっているので、受け入れて前に進むしかありません。でもでも、私の数少ない推しの中でも、これからの活躍を特に楽しみにしていた若手のホープだったので(すでに過去形で悲しい)、正直「無理」という気持ちです。なので、またここに駄文を書いて気持ちを整理しようと思いますのでちょっとお付き合いください。
私が初めてエリクを見たのは2015年の9月。友人のKさんに誘われて行ったH.e.a.tの来日公演でした。この頃私はすでにAlter Bridge/SMKCのマイルズに夢中だったので、後々本気でハマるとは夢にも思わず、YouTubeでかる〜く予習をした程度で、極めて気軽な気持ちでライブに臨みました。しかしです。気がつけば、あふれんばかりの圧倒的なエネルギーと、常軌を逸したど派手なパフォーマンス(褒めてます)で観客を大いに沸かせるエリクの存在からすっかり目が離せなくなっている自分がいました。そして歌詞をろくに覚えてもいない私でも、乗れる、乗れる!!この時私は生まれて初めて「文句なしに最高、ただひたすら純粋に楽しい」と思えるライブに立ち会ったのでした。
誤解しないで頂きたいですが、私には他にも推しバンドがいくつかあって、そのどのライブも楽しいです。ただ、それぞれのライブに対する気持ちのベクトルが違うので、比較して、という意味ではありません。あしからず。
とにかく、帰り道で誘ってくれたKさんに「すっごい楽しかったです!!」と興奮して何度も言った記憶があります。誘ってもらった礼儀として言ったのではなく、本心から強くそう思い、どうしても言わずにはいられなかったんです。早くも次のライブが待ち遠しくてたまらない気持ちでした。
二度目に彼を見たのは2018年の2月。前年に発表したアルバム『Into The Great Unknown』のリリースツアーの来日公演でした。この時バンドのギタリストが前回から変わっていて、新ギタリストのデイブにもFangirlingをし出すのですが、それは別の話なのでまた今度(笑)。
この時のライブも最高に楽しいものでした。バンド全体もレベルアップし、エリクのボーカルには大人の深みが加わって、2015年に固まった「好き」という気持ちが一層強化されました。まさかとは思っていたけど、私にとってすごく大切なバンドのSMKCやAlter Bridgeともはや同レベルで好きと言えます。(Aerosmithは神様なので別格)同日にライブをやったら、どちらに行くか非常に迷う感じです。マイルズ命の私にとって、これは異常なことです。
東京公演の翌日には大阪公演にも参加しました。
この来日公演ですっかり彼らの虜になってしまった私は、同年の12月にドイツ公演も観に行きました。
そして、私がエリクのいるH.e.a.tのライブを見たのは、これが最後でした。エリク自体は約10年H.e.a.tで活動しているのですが、私が見たのは彼のライブのうちたったの4公演。なんという少なさ。。。本来であれば今年の3月にも来日公演の予定がありましたが、みなさんご存知の通り、コロナの影響で延期になってしまいました。そして振替日程の予定が立たないまま、エリクは脱退してしまったんです。コロナ憎し。。。
でも、いつかこんな日がくると、実はちょっと予想していました。というのも、彼はH.e.a.t以外にもいくつもプロジェクトを抱えていて、そのうちの一つが「アーティストマネジメント」だったからです。彼がマネジメントの仕事を始めたと知った時から、「いつかは経営方面に軸足を移して行きたいのではないか」と薄々感じ取っていました。だから、今回の脱退は驚きではあったけれども、ある意味「くるべき時が来てしまった」という感じでした。(脱退の理由は、現在のアーティストマネジメントの仕事と、アフリカを拠点にしたアーティスト発掘を手がける会社を設立したので、それに専念するためだそうです)
予想していたのなら、そんなにショックを受ける筈がないのでは?と思われるかもしれませんが、シンガー、またフロントマンとしての才能があり過ぎるので、ここでミュージシャンとしてのキャリアを終えてしまうのがあまりにも惜しいのと、アーティストとして、また一人の人間としてとても魅力的なので、私がファンとして応援したり、会って話せなくなるのが寂しい、というのが本音です。ライブの凄さについては過去ブログにも書いたので省略しますが、エリクの素晴らしさはライブだけじゃないんです。(4回しかライブを見ていないのに、思い入れが強すぎて自分でも引きますが。。)
スウェーデンの人気アイドル番組のオーディションで一度は敗北しつつも、2年後に再チャレンジして見事優勝を勝ち取るという粘り強さ。パンクロックなアティテュードを持ち、ライブでも人生においても常に攻めの姿勢。自分に厳しいけれど、同時にそれを楽しむ余裕も。時間を無駄にせず、読書家でいつも何かを学び、成長の糧にしようと貪欲。周りには優しいけれど、決して誰にも媚びず、ちょっぴり皮肉屋。お姉さんと姪っ子が大好きで、家族を大切にする優しい性格。まるで武士のように仁義を重んじ、お世話になった人にはきっちりと謝意を示す律儀さ。犬をはじめとする動物が大好きで、自然に親しむ北欧人らしい気質。合気道とボクシングが趣味で、フィジカルもメンタルも健やかそのもの。多方面に興味関心があり、自分のビールブランドを立ち上げ、会員制のバーを経営し、友人とYouTubeチャンネルを持つなど、ジャンルを超えて幅広く活躍。そういえばジョン・レジェンド主演のミュージカル『Jesus Christ Superstar』にも出演していましたね。それらとバンド活動(たまにソロも)、アーティストマネージメントを同時進行しながら、ついにアフリカに会社を設立してしまうという器用さとタフさと先見性。もちろん、彼なりにものすごく努力をしている上でのことだと思います。それにしてもすごいですね。(さっき調べたら、どうやらアフリカのケープタウン大学の助教授も務めているらしい…あの若さで凄すぎないか)そんな進化し続ける超人のような彼の性格は、彼の言葉がよく言い表しています。(以下は脱退発表日の彼のInstagram投稿より)
"Life is too short to be static. It's extremely important for me to keep growing everyday and never get stuck in my comfort zone."
(意訳)「じっとしているには人生は短過ぎる。自分にとって毎日成長し続けること、居心地のいい場所に安住しないことはものすごく重要なんだ」
ある程度成功が約束された場所よりも、リスクを負って新しいことにチャレンジするのが彼にとって「生きる」ことなのでしょう。だから、H.e.a.tを抜けてしまうのは私にとっては大きなロスでも、彼にとっては必然の選択肢なのです。いちファンとしては寂しい限りですが、納得せざるを得ませんし、そんな彼の姿勢をとても尊敬します。
彼の性格からして、バンドへの復帰は期待薄だと思っています。だから、彼がこれまでに見せてくれた素晴らしいライブや、私たちファンと取ってくれたコミュニケーションの思い出を大切に胸にしまって、今後の彼を遠くから応援したいと思います。
大好きなエリク。他のバンドのように「推す」ことはできなくなるけれど、いつものように全身全霊でやりたいことに取り組んで、望む結果にたどり着けるよう祈っています‼️(きっとそうなると確信)そしてH.e.a.tももちろん応援していきますよ😎エリクの後任は元オリジナルメンバーのケニーだし、彼のボーカルも素晴らしいので、ライブで観られるのが今から楽しみ😆❤️これからのH.e.a.tとエリクに幸あれ‼️🌟🙌
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