H.e.a.t来日公演 2
こんにちは、225です。
前回の続きです。ここからがやっとH.e.a.tの2018年来日公演の本編です。とは言っても、ボーカルのエリクがH.e.a.tに加入する前に発表された曲については(CDを持っていないので)全く言及できません。。。こっちの方に思い入れがある方がたくさんいそうだけど、俄かなので許して。CDはさっきAmazonでポチったので、遅ればせながら聞き込みます。
そう、エリクはH.e.a.tにとって二人目のボーカルなんです。ちょっとややこしいんだけど、H.e.a.tって2007年に結成されて、もともとはケニー・レクレモという人がボーカルだったんですね。で、このケニーが2010年にバンドを脱退し、のちにエリク(スウェーデン版アメリカン・アイドル出身)が加入。その後バンドとしては3枚目のアルバム"Address The Nation"を出したら、今度はギタリストの一人デイヴ・ダローンが脱退。残ったもう一人のギタリストであるエリック・リヴァースが頑張っていたものの、この人も2015年の来日公演を最後にしてバンドを脱退。。。結局、先に脱退していたデイヴが復帰して今の体制となったわけです。残るイケメン、去るイケメン。いずれも円満な脱退・再加入だったらしいので、変なしこりはなさそうで一安心ですが。
なので、私はデイヴを見るのが今回初めてだったんですね。ビジュアルは写真で知っていても、キャラとか演奏スタイルはどんな感じなんだろう。。。そもそもH.e.a.tは公式があまり宣伝に力を入れていないのか、バンドの規模としては普通なのか分からないけど、とにかく情報が少ない。探しても探しても情報がない。せっかく実力あるのに売れる気ないのか?と疑いたくなります。メンバーはどんな生い立ちなのか?性格は?影響を受けたアーティストは?家族は?など知りたいことがいっぱいあっても、ネットストーカー検定3級の私の検索能力ではすぐ壁にぶち当たります。もしかしたら英語の記事がないだけで、スウェーデン語だったらたくさんあるのかも?そう思ってとりあえずスウェーデン語の単語本を買ったので(これ自体が少ない!)、これから検索力を磨いていきたいと思います。
H.e.a.tの来日公演は2018年2月16、17の二日間に渡って行われました。ちなみにその前の2月15日には渋谷のタワーレコードでサイン会が行われ、それにも行ってきました。様子はこんな感じ。
みんな何かしら上着を羽織っているのに(日本人はがっつり冬物のコート)、エリクだけタンクトップ。なぜ。普段からボクシングや合気道などをやっていて、筋肉質で体温が高いのでしょうが、ちょっとだけ「大丈夫かしら」と心配になりますね。スウェーデンがとても寒い国なので、日本の寒さは余裕なのかもしれないけど。でもとても愛想よく、かつ丁寧にファンと交流していました。ファンから貰ったビールのイラスト付き眼鏡を掛け、カメラに向かってポーズを取るなど、サービスも抜かりなし。ちなみに3枚目の写真はデイヴの表情がめちゃめちゃ可愛くて私のお気に入りです。手の揃え方とか、小さな子供みたい。。。(母性本能が無駄に目覚める)
そして公演当日。
初日の東京公演(渋谷クラブクアトロ)は、私が入った時にはすでに前方が背の高い男性で埋まっていたので、ベースのジミー側の一段高い場所から見ていました。
セットリストはこんな感じ。(公式より拝借)
一曲目は最新アルバム"Into The Great Unknown"からのBastard of Society。ショウの幕開けに相応しい、勢いと強さのある曲で、オーディエンスをグイグイ引き込みます。コーラス部分では観客側からもウォーオッオッオッオッオオオーという大合唱が。これは例え曲自体を知らなくても絶対ノれる。俄かの私が保証します。仕事帰りでヒートテック+セーターだったのに、テンションがブチ上がるのを抑えきれず、腕を振り上げて声を張ったせいで汗だくになりました。
そして4曲目はこちらも新アルバムからのRedefined。一番最初にMVが公開された曲で、H.e.a.tが以前よりも進化したことを如実に感じさせてくれる、とても印象的な曲です。(好き過ぎてこればっかりMVを何十回も見た)いい意味で、今までのH.e.a.tとは全く違う感じ。ヘヴィさは無く、逆に曲としての深み・広がり・幅があるというか。歌い出しはややローテンションだけど、暗いという意味ではなく、奥底にある強いエモーションをなんとなーく匂わせながら、全部は出さない、みたいな絶妙な小出し感。そしてサビでやっと抑えていたエモーションを解放。いやん。思わず「エリク大人になったな〜」などと謎の親視点で見てしまいます。(ちなみにエリクは30歳)途中のデイヴのギターソロも素晴らしいので、ぜひご覧あれ。
そしてCDで聞くより遥かに良いと思ったのが、8曲目のWe Rule。CDに付属していたメンバーによる楽曲解説によると「実話を元にした」とのこと。え?誰の実話なの??と非常に気になるところですが、内容は男女の別れについて。(ますます気になる)しかも男性の方が女性を振る感じです。ひえーーー。女性は男性のことをまだ好きだけど、男性はもう気持ちが離れていて、でも憐れみがあるから"I wanted to lie / I wanted to take you with me"などといい人ぶって言うんですが、もう女性である私からしたら「ふざけんな」です。バッサリ切れよ、と。まぁ個人的な恨みはさておき、この曲のハイライトはやっぱりサビの部分ですね。"Tonight we rule together / This time is ours forever" この後別れちゃうけど、この煌めくような一瞬だけは世界は二人のもの。。。といったところでしょうか。切ないメロディーとエリクの伸びやかな歌声が堪能できる名曲です。(すぐ下の写真は適当にセレクトしたので多分We Ruleじゃないやつ)
もう一つ、生で聴いて感動したのが11曲目のEye of the Storm。こちらもMVが公開されています。
楽曲解説を読んだけど、これも恋愛関係についての内容のよう。でもそれ以外でも共感できる気がします。特に歌詞の"Are you holding your breath / For the strike that comes next / Getting ready to fight again"の部分が、私の心に刺さる、刺さる。仕事とか、恋愛やそれ以外における人間関係とか、いろんなチャレンジとかにおいて、手酷い仕打ちを一度でも受けたことのある人なら「あ、また同じ事になるのかも」と絶望的な恐怖を感じた時に、心が再び粉々に砕けてしまわないように鎧を着ようとしますよね。結局粉々になるんだけど。でもそれをなんとか繋ぎ合わせてまた前に進んでいかなきゃいけない。しんどい。そんな経験とリンクするんだと思います(私の場合)。これから起こる何かに身構える瞬間。バンドの意図とは違うのかもしれないけどね。一見穏やかな「台風の目」と、その後に来る激しい嵐。エリク大人になったな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!(何があったの)
13曲目のEmergencyは今回聞けて一番嬉しかった曲。これは前作のアルバム"Tearing Down The Walls"に収録されている曲です。これはもう単純に曲が好き。冷え性の私が体を温めるのにもってこいの曲です。アドレナリンが出すぎて聞いた後はちょっとグッタリするけど。あとね、歌詞がいい。日本人が歌ったら恥ずかし過ぎて憤死しそうだけど、エリクが歌うと「ほほう」ってなる。どんだけ恥ずかしいかお伝えしたいので和訳すると「僕はあえて心臓発作を起こすだろうね。それが君を取り戻すための唯一の方法なら」ですよ。ウフッ。さらにたたみ掛けるように「投薬による治療が必要なんだ、僕は大声で叫んでいる/口移し以外での方法は残っていない」。どうです?(何が)楽曲自体は激しくて、シリアス。バラードじゃないからこの歌詞が逆にいいのかも。
それにしても、全体を通して惚れ惚れするようなエリクの歌の上手さよ。注意深く調整されたCDの音源に負けないどころか、首が吹っ飛びそうなほど激しくヘドバン、なおかつジャック・ダニエルをラッパ飲みしながら(大阪ではビール)ステージを激しく動き回ってこのパフォーマンス・このクオリティというのは、凄まじいとしか言いようがない。エルフのような綺麗な容姿に、悪魔のような底抜けのパワー。2015年の来日時も「よく動くし、若いのに歌上手いな〜」と感心していたけど、今回は更に表現力に磨きがかかっていたのが印象的でした。先日公開されたBarksのインタビューで「今回は外部のヴォーカルコーチを付けた」と言っていたので、その影響なのかも。まあコーチと言ってもレコーディングスタジオで働いていたエンジニアらしいので、本格的なコーチかどうかは不明ですが。それでもエリクにとって英語は外国語なので、そのエンジニア(イギリス人)から教わったネイティブの発音やアドリブは、彼の能力を発展させる助けになったのは間違い無いでしょう。
ちょっと長くなったので、曲以外のライブの様子は次のブログにて書きます。よければ読んでね。
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