Year Of The Tiger 〜まいちゃをたずねて三千里〜 3
どうも、225です。
今回は長いので前置きなしで、いきなり本題に入ります。
スポケーンに着いて二日目の5/1。この日はまだライブもなく、丸一日空いていたのでOさんと朝から観光することにしました。観光と言っても、いわゆるメジャーな観光スポットではありません。(そもそもスポケーンにメジャーな観光名所はあるのか?)私たちが用があるのは
「聖地」=まいちゃ関連スポット
です。何しろスポケーンはまいちゃが人生の大半を過ごしている場所(今も住んでいる)なので、彼の音楽活動に関わる場所がいくつかあります。スポケーンに来る機会なんて、人生でそう何度もあるものじゃないので、この日が勝負。では早速レッツゴー。
【聖地その1】Spokane Falls Community College
やって参りました、まいちゃの卒業した大学です。私たちの泊まっているホテル近隣からバスで15分くらい。周りをぐるっと自然に囲まれた、非常にのどかな場所にあります。交通量も少なく、比例して人も少なく、日本の大学の雰囲気とはだいぶ違いますが、いい感じです。建物も背の低いものばかりで、空が広くてすごく開放的。お天気のいい日は散歩するにも良さそう。
敷地内に入ってしばらくすると、"MUSIC"と看板の出ている校舎を発見。
これはもしや、まいちゃが学んだ校舎では…(建て替えてる可能性もあるけど)。外観の写真を撮り、少し迷った挙句えいやっ!と中に入ってみました。(学生じゃないから後ろめたい ^ ^; )
中には学生さんや講師っぽい人が何人かいて、椅子に座って喋ったり、本を読んだり音楽を聴いたりと、思いおもいに過ごしていました。急に不審な日本人二人が侵入しても、特に怪しまれる様子もなく一安心。二階に行って研究室っぽいところを廊下から覗いてみましたが、それが精一杯。人がいない隙を狙って写真を数枚撮り、あとはベンチで休んだりしました。
私はまいちゃを追いかけ始めてからあまり年数が経っていないですが(海外まで来たのは2015年から)、まいちゃに興味を持ってからずっと来たかった場所についに来られて胸がいっぱい。まいちゃもまさか自分が卒業して30年近くも経ってから、自分のファンが大学を訪れるなんて夢にも思わなかったでしょうね。(まさか海を越えてストーカーに来るなんて)今や世界を舞台に活躍するロックバンドのフロントマンたるまいちゃも、ここに通っていた頃はまだ無名だったんですよ。教室でノートをとりながら勉強したり、友達と遊んだり、彼女とデートしたりしていたのでしょう。天使まいちゃの青春の1ページがここに。。。うぅっ感涙(泣かないけど)。しかし音楽のための校舎なのにどこからも音楽が聞こえてこなかったのが残念。防音仕様だから?
で、まいちゃがいた(はずの)空間で、天使成分が0.00000000000000000001%くらい含まれた空気をダイソン並みにたっぷり吸い込んだ後は、学生棟の売店に行ってお土産を買いました。
もはやライブでグッズ買うのと同じ感覚で、パーカー・Tシャツ・オーナメントという3大「普段使えないもの」を購入。もうね、デザインがどうとかじゃないんです。そこに大学名なり、大学のロゴなりがプリントされていたら、それは立派な買う理由になります。これを読んでいる奇特な人はきっと分かってくれるはず。
考える前に買う。
DNAにそう組み込まれているので仕方ありません。でもグレーのTシャツはシアトルでのライブで着たもんね。まいちゃにも見せて「あ〜俺が卒業した大学だよ」と言われて(知ってる)立派に役目を果たしました。あとは225の寝間着として着倒します。
【聖地その2】Mars Hotel(跡地)
大学からバスでホテルに戻り、荷物を置いてから今度は徒歩でMars Hotelへ向かいました。Mars Hotelとは、スポケーンにかつて実在していたホテルのこと。もともとはArlington Hotelという別の名前のホテルだったのを、それを買い取った人がGrateful Deadの同名アルバムにちなんでMars Hotelと名付けたようです。このホテルは99年に火事で焼け落ちてしまい、現在はありませんが、おそらくその前に来たことがあるであろうまいちゃが、ここを舞台に曲を作りました。それがThe Mayfield Four(まいちゃがAlter Bridge以前に在籍していたバンド)の名曲"Mars Hotel"です。
"She could take my heart and soul
She could take my hand to hold
But why'd she have to take advantage of me "
というフレーズが耳に残る、とても美しい曲です。傷つけられて別れた恋人についての歌なので、全体を通してどことなーく物憂げな、アンニュイな雰囲気が漂っていますが、まいちゃのヴォーカルとドラムが絶品なので是非聞いてみてください。
"I saw her in an empty bar
The smell of wine and cheap cigars
Trigger visions of Her face to this day"
という歌い出しで、いろいろ想像を掻き立てられますね。barっていうのは、Mars Hotelにあったバーなんでしょう。そこに漂うワインと安い葉巻の匂い…これが誰かの実体験をベースにしているのか、それとも完全なる創作なのかは不明です。The Mayfield Fourの1stアルバムはほぼ、まいちゃの実話らしいですが、このMars Hotelの収録されている2ndアルバムはそうではないらしい。(まいちゃに非常に詳しい友人談)
それはともかく、まいちゃのクリエイティビティの源泉を訪ねるため、グーグルMapの指し示す場所に向かって歩きました。(この時は日差しがとても強く、日向を歩いていると汗をかくほど)しかし、何も目印がない場所を目指していくわけで、ちゃんと着くのか非常に不安。(ホテルが焼けた後は駐車場になったという情報のみ)なんとなくそれっぽい駐車場にたどりつき、その場にいた警備員さんに聞いてみるものの、Mars Hotelなんて知らないとのこと。(スマホで調べてくれて親切な人だった)でも、せっかくここまで来たのに「どこか分からない」と諦めるのは嫌だったので、近くにあった消防署に聞き込みに行くことにことに。火事で燃えたんだし、消防署の人なら覚えてるんじゃないかと。でも、20年近く前に消失したホテルの所在を聞きに来る日本人二人って、ちょっと怪しいのでは。。仕事中の人たちの邪魔をするのも悪いしなー、とか私がゴチャゴチャ考えている間に、Oさんは構わず消防車の横をズンズン進んで行き「スイマセーン!」とまさかの日本語で声をかけます。もう後に引けない(笑)ドキドキしながら待っていると、奥の方から二人の体格のいい消防隊員さんが出てきてくれました。最初はちょっと怪訝そうな顔をしていたけど、ホテル跡地を探している旨と住所を伝えると、さっきいた駐車場とは別の駐車場を指し示して教えてくれました。Mars Hotelは知らなかったけど、消防隊員さんが教えてくれるなら住所は合ってるはず。(グーグルに勝った!)お礼を言って、教えてもらった駐車場に向かいます。すると、画像検索した時に出てきたMars Hotel近隣の特徴的な建物を発見!Oさんと二人で「あっこれじゃない!?」と大興奮。そして、さっき消防隊員さんに教えてもらった駐車場の前に立ち、かつてのホテルの写真を再度検索して、道路の傾斜具合などで「ここだ」と確信しました。その跡地がこちら!!
〈正面〉
〈裏側〉
絵ヅラが地味。
まー、知らない人にとってはただの駐車場なんですけどね。かつてここにMars Hotelが存在していて、まいちゃがあの曲を書いたんだと思うと、「ここがあの…」と感慨に浸ってしまいます。そんな訳で、私とOさんは今は無きMars Hotelの残像を心眼で見ながら、シャッターを切って切って切りまくります。(カメラロールには、ただの駐車場の写真が大量に)
ちなみに、Mars Hotelはカジノもできるホテルだったようで、そこで使われていたチップ(トークン)がこれ。
*photo credit to the owner
どちらも火星の上にホテルが建っているデザイン。これ、どこかで見たような…?
"Fallout"のジャケ写じゃん。
とまぁドヤ顔で語ったものの、これを教えてくれたのはまいちゃに詳しい友人(通称:中の人)です。私のまいちゃに関する知識の殆どは、この友人の受け売りです。本当にありがとうございます。
ところで、このFalloutの方は球体に地図が描かれているので地球なんですかね。その上に立つ建物が崩壊している図は、まるでMars Hotelの火事による崩落を予言しているかのよう。だって、Falloutは98年リリース、Mars Hotelの火事は99年ですよ???出来過ぎでは…(怖い)気になる人はMars Hotel Spokaneで検索してみてください。本当にこのくらいの崩落っぷりなので。ちなみに、中の人がまいちゃにこのジャケ写について質問したところ、「知らないな。憶えている限りでは、Epicレコードのアートワーク担当者があのジャケ写を作ったんだ」という返答が。バンドのフロントマンがジャケ写について
「知らない」
というのは初めて聞きましたが、まいちゃは本当に、音楽以外に興味がないんですね。
【聖地その3】Suki Yaki INN
さて、いよいよ聖地巡り3つ目の場所はSuki Yaki INNです。Suki Yaki INNとは何か?まいちゃファンの中でも意外と知らない人が多いですが、スポケーンの日本食レストランのことです。まぁ説明する前にまずはこちらを見てください。
写真へたくそですみません。。これは、The Mayfield FourのLiveミニアルバム"MOTION"です。(97年リリース。裏面にバーコードがついていないライブ会場限定販売品。約5,000部しか作られていないレアアイテム)ジャケットをよく見ると"Suki Yaki INN"と書かれているのがわかります。お店の外観をジャケ写にしたんですね。全体的に暗いので、多分みんなバンド名とタイトルだけしか見ていないんじゃないでしょうか。でも私がこのジャケを見て最初に思ったことは「なんですき焼き?」でした。日本人だから?なんだかすごーく不思議な感じがしたのです。で、気になって検索したら
まだスポケーンにある!
というわけで、行くことにしました。ちなみにMOTIONは、同じくスポケーンにあるOutback Jack'sという会場で行われたライブ音源を収めたものらしいですが、なんでジャケ写にはSuki Yaki INNを選んだんでしょうね。謎だけど、Falloutの一件があるので考えても無駄な気がします。
Oさんと私がグーグルMapに従ってMars Hotel跡地沿いの坂を下って行くと、ものの3分くらいでたどり着きました。「近っ!!!」あまりの距離のなさにびっくり。まいちゃの若かりし頃の行動範囲の狭さよ。なんもないスポケーンで(失礼)若者が行くところなんて限られていたんでしょうね。
ジャケ写そのまんまでした。1949年創業なので、まいちゃが生まれるより前から営業しているんですね。ここで遅めのランチを頂くべく、Oさんと二人で入ってみました。
日本の居酒屋と和食料理店を足して割ったような感じ。(奥の方には座敷もあった)Oさんは焼きそばと餃子、私は野菜うどんと冷奴を注文しました。量はそこそこあったけど、すごく美味しかったです。
接客してくださった店員さんが7年前からスポケーンに住んでいる日本人の方だったので、あいにくまいちゃのことは知らなかったけど、「エミさんなら知ってるかも」と厨房の奥に消えて行きました。エミさんとは…
しばらくすると、厨房からまかない?のご飯を手に持った、日本人ぽいやや高齢の女性(エミさん)が出てきて、壁際の席について食事を始めました。この店のオーナーなのかは不明ですが、ずっと前からここにいる雰囲気を醸しています。そしてさっきの店員さんから聞いたのか、時々英語の混じる日本語で唐突に話しかけてきてくれました。彼女曰く、
・マイルズは若い頃毎日のようにここへ来て飲んでいた
・今はもう来ていない
・店の正面がジャケ写に使われたことは知っているが、アルバムは持っていない
・Zia(ドラム)はいなかった
・とある友人が亡くなった時、マイルズはお葬式でギターを弾いた
・The Mayfield Fourの元メンバー(?)とこの店で働いていた女の子が結婚してどこか別の州に移り住んだ(元メンバーって誰)
などなど。とりとめのない話だったのと、知らない人の名前が出てきてアタフタしてしまい、多分聞き間違えてる部分がある(Oさんと聞いていた内容が違う)と思いますが。。。元メンバーの話はエミさんの勘違いだと思うけど、確証はなし。(インタビューや関連記事で読んだことない)亡くなった友人については、Blackbirdの歌を捧げた人ではありませんでした。名前も初めて聞いたし。でも「マイルズはここに来て何を食べていたんですかっ!?(同じものが食べたい)」と質問したら「食べない。飲んでた」という返事だったのは明確に覚えています。お酒は意外とイケるクチのまいちゃ。そして日本食レストランを選んでいたあたり、(お酒しか飲まないにしろ)昔から日本に興味があったのかもしれないと思ってちょっと嬉しくなりました。
以上でこの日の聖地巡りは終わり。あとは本屋やコンビニ、スーパーに行ったりして過ごしました。次はやっとこさライブの話が書けそう。よければ読んでくださいませ。続く。
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