Alter Bridge live at the Royal Albert Hall 5
こんばんは、225です。
やっと、まいちゃ(マイルズ・ケネディ)が我がブログに登場しますよ!
まいちゃの事じゃないとテンションが上がらないので、これまでの投稿を自分で読み返しても「ふーん」という感想ですが、ついに今回満を持してまいちゃが登場します。でもそれで面白い事が書けるかというと、そういう訳ではありませんが、少なくとも私のテンションは上がります。全く関係がないですが、先日ヤクルトをうっかり常温で3日間放置してしまった後、遅ればせながら冷蔵庫に入れて冷えた頃に飲んでみました。その後案の定お腹が痛くなりましたが(いけると思ったのに)、そんな時は魔法の言葉「まいちゃ」です。「まいちゃ」と唱えるとアラ不思議。お腹の痛みがみるみる消え………………る訳ないと思ったそこのアナタ!!!消えるんですよ!!!痛みが!!!あいにくこの時は全く別のことを考えていたのでお腹は痛いままだったのですが、私が初めて日本でまいちゃを見た2015年の2月(一番最初は2014年にアメリカにて)本当に奇跡が起こりました。私はまいちゃがボーカルを務めるSlash featuring Myles Kennedy and the Conspirators(スラッシュおじさんと陽気な仲間たち)というバンドのライブを見に新木場スタジオコーストへ行き、最前列どセンターという素晴らしいポジションを確保できたのですが、よりにもよってこの時、10年に一度あるかないかというほどの激しい腹痛に襲われており、最前列を離れようかどうしようか本気で悩んでいました。今でも柵にしがみつきながら「絶対離れたくない〜」と苦しんでいたのを思い出します。と・こ・ろ・が。会場が暗転し、遊園地で流れるようなお決まりの陽気な音楽と共にメンバーがステージに姿を現し、一曲目のYou're A Lieを演奏し始めた時。一番最後に出てきたまいちゃの姿を見て、私は痛みの向こう側へ解脱しました。腹痛が一瞬にしてケロッと治ったのです(実話)。その時隣にいたエアロスミスファン仲間のYさん(美女)が証人です。さっきまで痛すぎて出川◯郎みたいに「やばいよやばいよ」って脳内でもんどり打っていたのに、まるで地上に舞い降りた天使のような、場違いに美しいまいちゃの姿を見て、衝撃のあまり痛みは跡形もなく消え去りました。人生でそう何度もない、脳内モルヒネ大量放出の瞬間でした。(ちなみに、ライブ終了後また腹痛が戻ってきました)そういえば、まいちゃは海外のファン達によくMyles "Miraculous(奇跡を行う力のある)" Kennedyなんて呼ばれたりしていますが、あれは言葉の綾でもなんでもなく、本当のことだったのだのですね。
とまあ、前置きがだいぶ長くなりましたが、まいちゃはそれくらい私にとってはプレシャスでファビュラスな存在。そんなまいちゃに2016年以来、約1年ぶりに会えるのですから、もちろん気合は十分です。日本出国前には前髪をパッツリ切り、滅多に行かないネイルサロンで爪を整え、まつ毛エクステも前回の2割り増し量をばっちり付け、新しいヘアアイロンで髪をちょっとだけ巻いてUberで会場に乗り付けます。
会場裏手にはツアーバスが止まっています。そして私とまいちゃの再会を祝福してくれているかのような(妄想)いいお天気!ちなみに正面から見るとこんな感じで、とても立派な建物です。(これは翌日の写真なので、私はジーパン履いています)
会場にはすでに大勢のファンが並んでいたので、私もその列に並びます。(鏡を見てまつ毛エクステを整えている私)
もうお分かりでしょうが、みんな格好がラフです。私はと言えば、レース&バックリボンのノースリーブ+寒さをしのぐためにウールのカーディガンを着ていて、もし上にライダースを羽織っていなかったら完全にアウトです。イギリス人やアメリカ人はTPOを日本人以上に気にするのかと思っていましたが、ライブはやっぱりライブなんですね。一つ勉強になりました。(結婚式ワンピースじゃなくて良かった)そう言えば、2016年にグラスゴーでAlter Bridgeのライブを見た際も、ミーグリあるしお洒落しようと思って、フワフワの茶色のセーター+オーガンジー風の白いスカートを履いていましたが、あまりの浮きっぷりに近くにいたまいちゃの弟さんに凝視され、しばらく見つめ合ってしまったことがありました。
それはさて置き。
天気は良かったもののちょっぴり寒い秋空の下、VIP参加者の列に並び、知り合いに挨拶をしたりして待っているとサウンドチェックのために会場内に入れられました。と言ってもまだ途中。階段でしばらく待たされていたのですが、待っている間にも演奏の音漏れが聞こえてきます。そして、今回どうしても聞きたかったあの曲が流れてきた瞬間、身体の奥がゾワゾワっとして鳥肌が立ち、思わず「うわぁー!」と声が出ました。あの曲とは
Words Darker Than Their Wings
です。この曲の何が特別かというと、まず第一に、それまで一度もライブで演奏されたことがないんです。それはなぜか?まいちゃの声を潰してしまうからです。理由は実際の曲を聴いて頂ければ分かると思います。時間がない人は4:50くらいからどうぞ。
とにかく、まいちゃの喉にものすごい負担がかかる歌なんです。まいちゃは完璧主義者なので、ツアー中病気にならないように細心の注意を払い、食事に気をつけ、常にベストな状態で演奏できるようにしているわけですが、この歌を歌うとあっという間に喉がダメになってしまう。だからこれまで、大勢のファンに懇願されても演奏してこなかったんですね。(今回はバンドにとっても特別な機会なので解禁することにしたらしい)
第二の理由が、その歌詞の特殊性です。これについてはギタリストのマークがインタビューで語っているので下記に引用します。
"When we were in the studio doing Blackbird, Myles and I were sharing an apartment. I started messing around with a new guitar tuning, and I'd come up with all kinds of ideas. However, this one idea sat there until I dusted it off for AB III. I remember Myles and I had a conversation in a car one day. He was just really down about not having faith in anything anymore. His dad was a Christian Scientist and he lost him when he was very young. He doesn't believe in any kind of god, heaven and hell or anything you can't see in the world here. I was telling him that I can't believe we're born to merely grow, die and rot in the dust and have nothing mean anything. So we decided to make the lyrical content of "Words Darker Than Their Wings" about the conversation we were having in the car that day. He'd say his part, and I'd say my part. The song is our views and conversation with one another."
ーartistdirect.comより
要約すると、元々はABの2作目アルバム、Blackbirdの制作中に生まれた曲で、どこかのタイミングでマークとまいちゃが実際に交わしたお互いの宗教観についての会話が歌詞のベースになっています。(曲自体は3作目のアルバムABⅢに収録されています)まいちゃは神も宗教も天国も地獄も、とにかく目に見えないものは何も信じない派。(これにはまいちゃの幼少期のトラウマが関係しています)一方のマークは特別キリスト教を信仰しているわけではないけれど、人として生まれてきたこと自体にはきっと何か意味があるはず、目に見えなくても信じられる何かがあるはずと思っている派。つまり、二人の意見は別々ではありますが、真っ向から対立するようなものではないんです。そして、どっちが正しい、間違っているとかもない。ポイントは「まいちゃ=何も信じない、虚しい、絶望」「マーク=何かは信じられるはず、希望」という、スターウォーズで言うところのダークサイドとライトサイド、闇と光のコントラストです。そしてその闇と光って、一人の人間の中に両方混在しているもので、決して別個のものではないんじゃないかと思います。(なんだか重くなってきた)中国の道教のシンボルで「陰陽太極図」というものがありますが、これに似ています。これは上昇する陽の気と下降する陰の気を表していて、さらに陽の中には陰が、陰の中には陽が存在している様子が描かれています。どっちもあるのが自然なんだと思います。そういえば、まいちゃの左手首には、この陰陽太極図のタトゥーが入っていますが、果たして意味は知っているんでしょうか。誰か聞いてみてください。
話を戻しますが、そう言ったわけで、とても変わった歌詞になっています。(一つの曲に二つの視点が入っている)曲も二人で交互にそれぞれのパートを歌います。面白い事に、まいちゃとマークは見た目も考え方も声の質も真逆です。それなのに、音楽的パートナーとして非常にうまくいっているのは、二人の組み合わせ自体が陰陽太極図そのもので、お互いにバランスを取り合っているからなんじゃないかと思います。(以前何かのインタビューで「お互いの一番いいところを引き出しあうんだ」とノロけて語っていました)デスティニー。。。そして別々に歌っていた二人がサビでハモる部分は必聴です。マジで聴いて。
"Into the light may you fall
Into the light may you follow
Into the light may you know
Truth alone"
この部分を聞くといつもあるイメージが浮かんできます。それは、高みに登ろうとするまいちゃの声を、マークのどっしりとした太い声が下から支えて持ち上げるようなイメージです。そうして二人の声が見事に溶け合い、一つになったかと思うと、最後の"Truth alone"の部分でマークの声が離れてまいちゃ一人の世界に戻ります。そしてそのまま曲のピークを迎えます。なんかこれって、人生みたいと思うのは私だけでしょうか。人生を歩むのに、人は誰かと支え合ってはいけるけど、本当の意味では自分一人の足で歩くしかないんだっていう。誰かを助けてあげられるけど、その人になることはできないし、その逆もまた然り。みたいな。マークはまいちゃを光の方へガイドしてくれるけど、まいちゃがそっちに行きたいと自分で思わないとダメなんですね。
ってサウンドチェックに突入する前に力尽きたので、まいちゃ登場は次回!(書く書く詐欺)サウンドチェックの音漏れでちょこっと出てきたから(?)許してください。続く。
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