初めての北欧遠征 その2
さてさて、ようやくライブ当日の11月14日(木)の朝。目覚めたら、体調が最悪でした。倦怠感が全身を覆い、喉が猛烈に痛く、熱で視界がボヤけて歩くとフラフラ。。。今日に向けて毎日マスクをして風邪やインフルの予防に努めてきたのに、なぜ今日なの???
実は3年前にイギリスに遠征した時も、前日までめちゃめちゃ元気だったのに、出国当日に具合が悪くなり、仕事上がりに病院へ駆け込んで、そのまま飛行機に乗ったことがありました。当時と全く同じ症状で、これは風邪やインフルではないことが分かっていたので、とりあえず様子をみることに。(急性咽頭炎の類と思われる)ホテルの朝食ビュッフェの写真を撮る元気もなく、手持ちの薬を飲んですぐベッドに横になりました。
本当はライブまでの間にトラムに乗って観光したかったんですが、次回までお預け。それよりも、第一優先であるライブまでになんとか回復せねば。。。ライブ用の服を着たまま横になってゴロゴロしていました。
すると薬が効いてきたのか、お昼前に徐々に熱が下がってきました。この日はShinedownとのミーグリがあり、16時までに会場に集合しなければならなかったのですが、なんとか14時くらいにフラつきが収まり、「これなら行けるかも」というぐらいに回復しました。とりあえずミーグリだけ行って、無理そうならライブは諦めよう、という気持ちで会場に向かいます。いやーしかし、この日にAlter Bridgeのミーグリを申し込んでいたら、絶対間に合わなかった(14時スタートだった)ので、この日にShinedownのミーグリを申し込んでいた自分の運の強さに感謝です。
日本で見た時は天気予報が雨でしたが、この日は曇りでした。それもラッキー。ライブ参戦の日が軒並み雨・雪の予報だったけど、最終的に全部曇りくらいで済んだので、それも運が良かったと思います。
会場に着いて暫くすると、先にAlter Bridgeのミーグリをした人達が出てきて、その中に友達がいたので、再会を喜びつつ写真を撮ったりしました。
そしていよいよShinedownのミーグリがスタート。ラミネートをもらって、スタッフに先導されて会場内に入ります。
Shinedownとのミーグリは初めてだったので、どんな感じなのか全くの未知でした。本当はAlter Bridgeとのミーグリを3回やっても良かったけど、私はいつもミーグリでテンパってしまうので、3回やろうが30回やろうが、内容的には大して変わらないだろうなー、だったら試しに別のバンドを。。。と思ったのが理由。それと、Alter Bridgeのメンバーとは何回かミーグリ経験済み(まいちゃソロとトレモンティソロ含めて)だったので、ずっとYouTubeでしか見たことのなかったShinedownと会ってみたい、ということで今回は変えてみました。
結果、大正解でした。
ミーグリの部屋には、スタッフとたった11人のファンのみ。やっぱりサポートアクトだから少ないのかな?と思ったけど、他の日はかなりの人数のファンがミーグリをしていたので、国柄なのかもしれません。初めてなのに、こんな少人数でラッキー過ぎる。。。そしてスタッフから注意事項を聞いて、グッズ(Alter Bridgeより豪華だった笑)をもらって待機。しばらくすると、メンバーが入ってきました。
今まで経験したミーグリは(エアロスミス含む)、メンバーが一箇所にいて、ファンがベルトコンベアー式にどんどん入れ替わる、というものだったけど、Shinedownは逆。ファンが部屋に散らばって待機し、メンバーがグルグル回ってミーグリをしていく、というスタイルでした。メンバーも一人一人バラバラに回るので、メンバー個人対ファン個人という、1on1で話せます。な、なんて贅沢な。。。
メンバーみんな個性的だけど、ファン一人一人の真正面に立ってくれて、時間をたっぷり取ってくれたのがすごく嬉しかったです。(グッズや持参した歌詞カードにも全部サインしてくれました)ステージ上でのパワフルでクレイジーな印象とは全く違って、地に足がついていているというか、変な言い方だけど常識的で、理想的な大人の態度というか。(そこはAlter Bridgeも同じ)ファンの話をしっかり聞いてくれて、みんなが満足して帰れるように配慮を怠らないというか。でも、まるで家族や友達と接するみたいに気さくに、暖かい態度で接してくれたのが印象的。私は初めてだったので、ちょっと遠慮がちにしていたけれど、みんなThanks for comingとかGood to see youとか言いながらハグをしてくれて、一気に好きメーターが振り切れました。ボーカルのブレントは、日本に来て!と言ったらラウドパークに行った時の事を話してくれました。お手紙も渡したから、読んでくれたかな。
調子に乗って、すでにミーグリが終わったメンバーのところに駆け寄ってセルフィーをお願いしたら、これも快くOKしてくれました。最後のバリー(ds)のフォトボムが最高www
あと、ギターのザックは部屋の隅でずっとスマホを見ていて、邪魔したら悪いかなーと思って声をかけなかったのに、私がベースのエリックと写真を撮った後すぐに来てくれて、後ろからハグされた状態でセルフィー撮れました。しかも可愛いスマイル(ずるい。。。笑)
そして最後はみんなで集合写真をパチリ。本当に贅沢なミーグリで、終わった後の満足感がすごかったです。
さーて、ここからがライブ本編です。
まずオープニングアクトのThe Raven Ageは、バンド名以外は全然知らなかったけど、ロンドン出身のメロディック・メタルコア・バンドらしいです。確かに楽曲はメロディックでメタルでした。最初の印象は「ボーカルがでかい」。かつてSlash feat. Myles Kennedy & the Conspiratorsのトッドや、Like A Stormのクリスを見た時のような印象です。トッドやクリスよりむっちりしてる分、目に迫ってくるものがありました。後はギターがイケメン。一生懸命まともな写真を撮ろうとしたけど、動きが早くて無理でした。
楽曲はまあ、私の好みにははまらないですが、彼らのアグレッシブな演奏は好きな感じでした。ちょっとバラードっぽい曲もあったりして、幅を広げようとしているのが感じられます。ただ、ビーム状の照明が目にガンガン当たるので、ずっと目を瞑らざるを得ない場面もあり、そこら辺をもうちょっと考慮してもらえるといいなーなどと思います。まだ若いバンドなので、これからもっと進化していくことでしょう。
続いてShinedown。
本当にずっとライブを見たいと思っていたので、ある意味このバンドが今回の本命?のような感じでした。ライブに行ったことのある友達も絶賛していたので、期待が高まります。
彼らは2018年にアルバム『Attention Attention』を出し、最近までずっと精力的にそのツアーをしていました。Alter Bridgeとはこれで二度目のタッグ。「前回とてもうまくいったから」と、Alter Bridgeのマークが起用の理由を語っていたと思います。二つのバンドが揃ったツアーを見たい!とずっと言い続けていた私にとってはまさに願ったり叶ったり。知ったときは思わず天を仰いで「神よ」と感謝しました。(※無神論者です)
そしてメンバーが登場し、圧巻のパフォーマンスを繰り広げてくれました。
もうね、言葉にならないくらい良かったです。。。
最高of最高。
メンバーは比較的みんな小柄だけど、一人一人の存在感がすごい。
彼らを知ってからずっとYouTubeで見ていて、それが今やっと目の前で見られているという感動と、本物の凄まじい迫力。具合が悪かったのも忘れ、とにかく圧倒されっぱなしでした。今回、最前列のセンターに陣取ることができたんですけど、実はミーグリ終わってからライブが始まるまで、また気分が悪くなって、最前を抜けようかと思っていました。(床下がアイスリンクでめちゃ寒いし)でも歯を食いしばってなんとか堪えていて。彼らのライブが始まると同時に、急にアドレナリンが出て暴れるくらい元気になったので本当に神かと思いました。彼らは神だけど、最初の曲は「Devil」。これもね〜語り出すと長いんですけど、ブレント自身の過去のドラッグやアルコール依存に対する苦悩や葛藤が如実に反映されている気がします。私もあとから知ったんですけど、そういう背景を知ってから曲を聴くと、歌詞によりいっそう深みが出てくるというか、簡単には聞き流せなくなるというか。『Attention Attention』はコンセプト・アルバムとのことで、このDevilから始まるんですけど(本当はEntranceだけど、MVでは2曲が繋がっています)、曲の流れにストーリーがきちんとあって(言明はされないけど)、非常に緻密に構成されていることがよく分かります。音楽に対する向き合い方は人それぞれで、正解はないと思うんですけど、私は歌詞の意味やアルバムの背景を知るともっと好きになる派。今回は、ただ楽曲を先に聞いていて、う〜んいいなこれ、好きだわ、と思っていただけだけど、家に帰って改めて伊藤政則さんの解説を読んだら、好きの深度が100倍くらい深まりました。え、これってそういうことなの!?みたいな。(なので今改めて全部の楽曲の歌詞を見ながら聞いています)
サポートアクトなのでセットは短いんですが、それでも大好きな曲が聞けたので満足。セットリストはこちら。新アルバムからは3曲、あとはその前のヒットナンバーで構成されていました。
1. Devil
2.Cut the Cord
3.Diamond Eyes (Boom-Lay Boom-Lay Boom)
4.Monsters
5.Get Up
6.Enemies
7.Second Chance
8.Simple Man (cover)
9.Sound of Madness
これはもう、暴れるなっていう方が無理でしょう。特に2と3と6。自分の肉眼でしっかり見たいし、拳を振り上げたい。でもあとでこの記念すべき最高の初ショウを見返すために動画も撮りたいし、とジレンマでした。
あとは5のGet Up。アルバムの中で、明らかにここから雰囲気が変わるんで、アルバムのキーとなる曲なんだなーと推察。ライブでこの曲をやる前のMCで、ブレントが次のように言っていました。「みんなに贈り物を持ってきたよ。それは触れず、味わうことはできない。匂いも嗅げないし、目には見えない。ただ感じることはできる。俺たちは一つの言葉だけを知っている。それは音楽だ。(中略)みんなその手の中に魔法を持っている。みんなでマジックを起こそう」そしてファンにスマホのライトを点ける事を促して始まったGet Upは、本当に喩えようもなく美しくて感動的でした。アルバム前半でもがき、苦しみ、悪魔と戦っていた主人公は途中で何かに気づき、生まれ変わって、このGet Upでまるで自分に言い聞かせるように誰かに「立ち上がって行動を起こせ。お前は何にだってなれる。さあ俺を信じて」と語りかけます。この曲に限らず私がブレントの歌詞がすごく好きなのは、多分彼が自分の弱さを認めて、それを曝け出して、真正面から向き合う真面目さ・不器用さを感じられるから。弱いようでいて芯は強い。ギリギリの状態でも絶対に最後には立ち上がる。そして、その強さで周りを巻き込んでいくパワーがあるからなのかもしれません。彼の歌声には人の心を押し上げるような不思議な説得力があって、まるで自分の魂まで救われるような、そんな気がします。
本当にありがとう、ありがとうという気持ちでいっぱい。最後のSound of Madnessの途中でブレントの声が出なくなり、ステージそでに駆け込んでしまったので、残りはザックとエリックが歌っていましたが、そんなギリギリの状態まで最高のショウを見せてくれて感謝しかありません。私にとっての初Shinedownは、最高の記憶とともに心に残りました。
いやー本編のAlter Bridgeはここからなんですけど、長くなっちゃったので今回はここまでにします。続く。
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