初めての北欧遠征 その3

前回は中途半端に終わってしまったけど、実はここからが本編のAlter Bridgeです。

私の愛するマイルズ・ケネディ(以下まいちゃ)を見るのは、彼がSlashとのツアーで来日した1月以来。考えてみると、私が彼を知った2014年から今年まで、なんだかんだで毎年見ていることになります。(2015年は日本とアメリカとカナダで、2016年と2017年はイギリスで、2018年は2回ともアメリカで)我ながらなんと幸運なんでしょう。。以前は超絶ブラック企業で働いていたので、好きなバンドを見るために海外遠征をする余裕なんて微塵もありませんでした。そもそも土日も深夜も働いていたし。23日連勤なんてこともあったり。(世の中にはもっとひどい環境で働く人もいるでしょうが)それが紆余曲折を経て、今こうしてたびたび遠征に行けているのはまさに幸運以外の何ものでもないなーとしみじみ思います。

それはさておき、ライブに話を戻しますね。

Shinedownのライブで体力が底を尽いてしまった私は、大人しく見ることにしました。前座でこんなにグッタリするなんて初めて。。。一晩に推しを2組見るのはきつい。。。これはジムへ通って体力をつけなければ。。。などと考えていると、照明が落ち、発売されたばかりの最新アルバム『Walk The Sky』の1曲目であるOne Life(これは録音)が流れ出しました。暗い会場を照らすビームライトが幻想的で、一気にAlter Bridgeの世界観に引き込まれます。このイントロは、雰囲気は違えども、彼らの3作目のアルバムの初めに入っているSlip To The Voidを彷彿とさせます。とても静かな始まりで、これから起きる何かをより盛り上げるための仕掛け的な。嵐の前の静けさってやつですね。


そしてさっき言及したビームライトですが、これは私の記憶が正しければ、以前ギターのマークがインタビューで「これからはビジュアルにも力を入れていきたい」と言っていたので、その一環と思われます。ただ、私は最初そのビジュアルというのが、彼らの服装などのことだと勘違いしていました。(まあ、服装とか見た目の話だったらlooksとか別の言葉だったのかしらね)というのも、私だけじゃなくて他のファンも言っていたんですけど、彼らはスタイリストをつけて見た目を洗練させ、イメージを作った方がもっと売れるのでは???ということです。今の見た目が悪いわけじゃない。でも、なーんかもったいないというか戦略的じゃないというか。みんな服装にあまりこだわりがないみたいで、マークに至っては数年前から同じTシャツを着続けています。別にボロボロだとか、清潔感がないということでは決してないけど、せっかく顔やスタイルがいいのにもったいない!というのが正直な感想です。(余計なお世話ですが)唯一、まいちゃだけはツアーごとに衣装を買い替えていますが、基本的に2〜3着をヘビーローテーションしています。まあ、ご本人たちがcomfortableならそれでいいや、なんですけどね。もったいない。。。(しつこい)でも、それもこれも、彼らが音楽バカ音楽に非常にフォーカスしていて、イメージよりも本質を大切にしていることの表れでもあるので、これ以上は言いますまい。見た目にさほど拘らない分(?)、音響は常に完璧で、演奏も歌も毎度文句なしにハイクオリティですからね。

1曲目はWouldn't You Rather。強烈なギターから始まる、パンチのある曲です。そして個人的に、まいちゃの書く歌詞はとっても壮大で広い意味に受け取れるものが多い印象だけど、この曲は割とダイレクトに言ってる内容が分かります。「だったらむしろ/心のままに生きて見ないか/生きるに値する人生を/最初から」(訳は日本語版の対訳カードから引用)。まいちゃの人生のモットーがFollow your blissなので、それとも合致しています。まさに今の彼の心境なのではないでしょうか。それにしても、まいちゃの伸びやかな声が素晴らしい。上手い、というレベルを遥かに超越しています。(本人はシンガーというよりギターを弾くのが一番好きと言っていますが)どなたかのブログで、まいちゃの声を「水」に喩えていた方がいらっしゃったのですが、すごく納得です。ガツンとくるようなインパクトはないけれど、水のようにどこまでも広がっていく不思議な魅力があります。伸びて、広がって、深く沁み込む感じ。好き嫌い関係なく耳に抵抗が全くないので、いつ聞いても心地がいいし、気がつかないうちに虜になっています。まいちゃ恐るべし。。。


セットリストを調べたら、こんな感じでした。


1.Wouldn't You Rather

2.Isolation

3.Come to Life

4.Pay No Mind

5.Crows on the Wire

6.Ghost of Days Gone By

7.Native Son

8.Addicted to Pain

9.Rise Today

10.Waters Rising

11.Dying Light

12.In Loving Memory(アコースティック)

13.Cry of Achilles

14.Blackbird

15.Metalingus

16.Godspeed(アンコール)

17.Open Your Eyes(アンコール)


まだツアーが始まったばかりということで、ファンが新曲に馴染むのを待っている感じですね。新アルバムからの曲は1,4,7,11,16です。彼らにはライブの定番曲がたくさんあるので、今回新曲を入れるに当たり、何をセットリストから外すか相当悩んだと思います。そんな中、私がAlter Bridgeを好きになったきっかけの曲Addicted to Pain(4枚目のアルバムに収録)が残っていて嬉しかったです。アップテンポな曲で、みんな大好きなのでライブでめっちゃ盛り上がる曲です。マークのジェットコースターみたいなギターソロで白飯3杯は軽くいけますし、大人しく見るはずが、ノリすぎてヘドバンが止まらず、首を痛めました。


それと、私が「ものすごくかっこいい!」と思った曲Pay No Mindも生で聞けて良かった。今回のアルバムは所々にシンセサイザーを大胆に効かせているのが特徴で、それが彼らのハードな音と絶妙にマッチしてるのですが、この曲もそのうちの一つ。アップグレードされた最新のAlter Bridgeを象徴するような曲だと思います。

あと今回のセットリストには、In Loving Memory、Blackbird、Godspeedという、メンバーが亡くなった人を想って作った曲が3つイン。特にIn Loving Memoryは、これまでと違ってアコースティックバージョンだったのが印象的でした。ステージに椅子を二つ並べ、まいちゃが歌ってマークがアコギを弾くという新スタイル。常に新しいことに挑戦していこうという、彼らの前向きな姿勢が感じられます。


そして最後はOpen Your Eyes。これはいつもライブの最後に演奏される、ど定番ですね。彼らの最初のアルバムOne Day Remainsからの曲で、これが流れると「あ〜終わっちゃう〜」という悲しい気持ちになりつつも、とても前向きな内容の曲なので、爽やかな気持ちで終わりを迎えられるという心憎い?演出です。これはこの先もずっと変わらないんでしょうね。いつまでも初心を忘れない、というメンバーの意思もあるのかもしれません。好き。。。

マークやフリップ(ds)はすごくいい笑顔をしています。ブライアン(bass)はいつも通り?まいちゃは。。。ちょっとまだのり切れていない感じが表情から読み取れますね(苦笑)演奏や歌は一切手を抜いていないですが、やっぱりヨーロッパツアーが始まったばかりで、まだあまり本調子が出ていないんじゃないかしら、と勝手に想像しています。顔に出やすいのも可愛い。会場が寒かったので、シャツのボタンも全部閉まっていますね。(マークは半袖、ブライアンはノースリだけど)

そんなこんなでライブは無事に終了。体調もだいぶ良くなりました。Shinedownのミーグリで会った日本人の女性と連絡先を交換するのを忘れてしまったし、新アルバムで一番好きな曲Clear Horizonが聞けなかったのは残念だったけど、全体的にとっても楽しかったです。そしてこの日の戦利品としてThe Raven Ageの誰か(失礼)とShinedownのザック、まいちゃのギターピックをゲットしました。まいちゃのピックは、ブライアンが投げて私のおでこに命中したもの。ありがとうブライアン。。。


というわけで、スウェーデンとノルウェー公演はまた後日アップします。

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